いまどき着物講座

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【第10講座】着物の小物あれこれ

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こんにちは!合理的でわかりやすいを目指すいまどき着物講座です。


第10講座は着物の小物あれこれ

着物と帯は大体わかったけれど、では早速着てみましょうとはいきません。

 

着物には欠かせないのが、様々な小物達。今回は着物に関する小物のうち、表面から見える装飾小物について学んでいきます。

 

 
長襦袢あれこれ

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まずは肝心の長襦袢(ながじゅばん)から。着物の下に着る物で、下着である肌襦袢とは別物です。袖の後ろ側から見えたり、夏着物のときは透けて丸見えなので意外と重要。長襦袢をきちんと着れるかどうかで、衣紋の抜けや着付の仕上がりも変わります。


①サイズ

着物と違いおはしょりを取らないので身長に合ったものを。身幅が足りないと衿元が崩れやすい。また裄や袖丈は着物のサイズに合わせるのがベストだが、合わない場合は対策が必要。いつか詳しく書きますが、急ぎ必要な場合はググってみて下さい。


②仕様

基本は一部式といって、着物と同じように上から下まで繋がったもの。一方で、二部式といって上半身と下半身に分かれたものも。下半身と別なので衿元が崩れにくい、丈の調整が出来るなどのメリットが。また「うそつき」と言う、衿元と袖という長襦袢に必要な機能だけ残した便利グッズもあり、頻繁に着物を着る人には人気。

とりあえず初心者は、まずは基本の一部式で。好みが出てきたら自分に合ったものを選びましょう。


③素材

素材は正絹、化繊、綿、麻など。当然洗えるもの、洗えないものも。正絹のほうが着心地や足捌きがよく、化繊は静電気がおきやすいとか。二部式だと上半身が洗える綿、下半身が正絹というミックスタイプも。


④色柄

長襦袢には着物と同じくらい色柄が。留袖と喪服には白のみ、訪問着や色無地など略礼装には淡い色か白。それ以外は着物と合わせてお洒落的にカラーコーディネート可能。

柄も絵や地紋など様々だが、着物の柄と同様、喪に吉祥柄を避けるなど基本を押さえ、どんな柄かは認識はしておきましょう。


⑤季節

そう、長襦袢にも衣替えが。原則は袷・単衣・夏物の3種類。ただ現在は、袖無双・単衣・夏物の3種類が一般的に。

単衣は裏地なし、夏物は絽や麻など透け感のあるもの。袷は全体的に裏地があるものだが、昨今の暖房事情等により、ちょっと暑すぎだよねと。そこで袖のみ袷にしたものを袖無双という。胴回りは単衣(胴抜き)で、お尻のところに破れ防止布(居敷当て)がついてる場合も。

着用期間は大体着物と同じだが、インナーなので気温と体感により正直に。ただ夏物を6月より前に着る時は半襟だけ冬物にする、など見た目は季節合わせを。最近では通年麻の襦袢を着る人や、着用期間の長い東レの爽竹が人気。


着物の装飾小物9つ

長襦袢の説明が長すぎですが、その他にも必要な小物をさらっと。

 

半衿

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長襦袢の衿に付ける。基本的に最近販売されている長襦袢には、デフォルトで1枚縫いつけられているので問題なし。必要に応じ、汚れ防止やお洒落としてさらにその上に色柄物を縫いつける。生地による季節感はあるものの、とりあえず夏は絽、それ以外は塩瀬が無難。 


②伊達衿・重ね衿

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振袖や訪問着など華やかに着たい場合に、着物の衿から少し覗かせるもの。似ているが半衿とは異なる。最近は1つで何通りも着用できるタイプのものも。

 

帯揚

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こちらも夏物(絽・紗等)とそれ以外(綸子・縮緬・絞り等)の2種類。衣替えの原則は「春単衣は小物から帯、秋単衣は帯から小物」と言われるが、加減がわからないうちは夏帯には夏小物、それ以外は冬小物、と帯に合わせるのが無難。

コーディネートの差し色に特に重要。礼装には白や淡い色を。


帯締め

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単にお洒落ではなく、実は帯の結びを押さえる機能的に重要なもの。こちらも夏物とそれ以外で、帯揚げと季節を合わせて。また三分紐など通年使えるものも。平らで幅広のもの(平組)ほど格が高い。


帯留

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こちらは単にお洒落用。三分紐や細めの丸組に使うカジュアルなものに合わせるのが一般的。極一部フォーマルに使われる事もあるが、文句なしの宝石等上級者向け。


⑥足袋

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素材もあれば、なんと踵の金具の数で格も変わるとか。まずはとりあえず極一般的な白で。

 

⑦草履

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草履にもなんと衣替えが!でもとりあえず、礼装用とそれ以外くらいの認識で大丈夫。とりあえず外に出る時までにあればいいので、また別記事で。

 

⑧カバン

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こちらも礼装用とそれ以外。洋服との兼用もあまり気にせず。ただ定番のカゴバッグは冬は使わないのでお気をつけて(私はファーをつけて使ってますが…)。

 

⑨羽織・道中着・コート

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実は外出するとき欠かせないのが着物の上の羽織物。街で着物を着ている先輩方を注意して見ると、実は必ず何か羽織っています。着物の汚れや帯の日焼け防止のほか、初心者には帯隠しの有難い役割も。季節感もあるのでまた後日詳しく。


着付けに必要な小物

着付け小物も欠かせません。が、着付け方法により必要なものも様々。こちらは着付け小物の回にて。


さいごに

いかがでしたか?小物だけでもこんなにあるんですよ…。どれも細かく説明すれば、それだけで何講座もできるほどに奥深く、まだまだ私も勉強中です。